コンデンサーの役割・種類・原理 完全ガイド

コンデンサー(Capacitor)は、電子回路で電気を蓄えたり放出したりする重要な部品です。スマートフォン、パソコン、テレビ、家電、自動車、産業機器など、あらゆる電子機器に使われています。この記事では、コンデンサーの基本的な役割、動作原理、種類について詳しく解説します。 1. コンデンサーの主な役割 電気エネルギーの蓄積: 電流が流れるときに電荷を蓄え、必要なときに放出する フィルタリング: 電源のノイズを除去し、電圧変動を安定化 カップリング: 交流信号を通過させ、直流成分を遮断 タイミング: 抵抗と組み合わせてタイマー回路を構成 平滑化: 整流回路の脈流を滑らかな直流に変換 2. 動作原理 コンデンサーは2枚の導体板(電極)の間に絶縁体(誘電体)が挟まれた構造です。電圧をかけると一方の電極に電子が集まり、もう一方の電極から電子が抜けて正電荷が生じます。この状態で電荷を蓄え、必要なときに放出して電流を流します。小さなバッテリーのように機能しますが、エネルギー量は非常に小さく、主に信号や電圧の安定化に使用されます。 3. 主なコンデンサーの種類 ① 電解コンデンサー 特徴: 大容量、極性あり、低価格 用途: 電源フィルタ、電圧平滑化 ② セラミックコンデンサー 特徴: 小型、無極性、安定性高い 用途: 高周波回路、ノイズ除去 ③ タンタルコンデンサー 特徴: 小型、高容量、安定、極性あり 用途: モバイル機器、パソコン ④ フィルムコンデンサー 特徴: 無極性、高耐圧、長寿命 用途: オーディオ機器、電力回路 ⑤ スーパーキャパシター 特徴: 非常に大きな容量、繰り返し充放電可能 用途: バックアップ電源、エネルギー貯蔵装置 4. コンデンサー選定時のポイント 定格電圧: 回路の最大電圧以上のものを選ぶ 容量: 必要な蓄電量に応じて選択(単位: uF、nF、pF) 極性の有無: 極性を間違えると故障・破損の恐れ 周波数特性...